●「波屋書房」（大阪市）
　知る人ぞ知る、料理本の専門店。木造の古い建物からして味わいがある。
創業は大正８年。創業者は、当時『大阪の夢二』と人気のあった画家「宇崎純一（スミカズ）」氏で、当然店の書皮も宇崎氏によるもの。
　イラストの由来は、波屋書房が大阪の作家・藤沢恒夫氏の学生時代の同人誌「辻馬車」の発行所だったことから。左端のイラストには、藤沢恒夫氏の自筆で、「ナンバの波屋書房は辻馬車時代の文学的フランチャイズだった」の文字入り。店の歴史を凝縮させた逸品です。